2006年5月29日

MacPeople7月号の記事はなんか違うでしょ

MacPeopleの7月号、39ページ下に「オープンソースソフトをアップルが懸念?」という記事がある。著者は白山貴之という人。
基本的には、オープンソース系のソフトがユニバーサルバイナリしやすいようにとアップルがリリースした解説記事の紹介だ。
この人の記事では、
バイナリパッケージ作成者の多くはUNIX文化、つまりオープンソース流の「その場でビルドすればいい」という発想に毒されている、もしくはそうした発想をUB化の手間を惜しむための言い訳として使っている。(p.39)
とされている。

なんだかなあ。。。
欲しいものは自分でビルドするか、自分にあったものが出てくるまで待てばいいと思うけどな。
それが嫌ならお金を払って誰かにサポートしてもらえばいい。

ビルドするのがすごく大変だとかお金がかかるとかいうのであれば別だけど、ビルドって実は標準でついてくる開発ツールを入れればわりと簡単にできる。
ビルド自体のやり方は、ちょっと勉強する必要があるけど、これを勉強しさえすれば、たいていのものはビルドできるようになる。
この(時間)コストをケチるのならば、そしてそのツールを使いたいのであれば、やっぱりそれは自分で誰かにお金を払ってでも頼むべきじゃないかな。
そしてその成果をバイナリとしてみんなに提供する、と。

どうして、「バイナリ公開者はユニバーサルバイナリを公開する義務がある」みたいないい方になるのだろう。
市販ソフトのすべてがすでにユニバーサルバイナリ化されているとでも言うのだろうか?Adobeに面と向かって「お前たちはユニバーサルバイナリ化する義務がある」と先に言ってみたらどうだろう。

ちなみに、これ、誰かが個人的な意見として言っているんなら別にかまわないよ。
MacPeopleという雑誌ではっきりと言ってるから問題にしている。
この記事のあるページは、NEWS Naviってコーナーで最新のニュースを解説するページ。このコーナーは、記者の個人的コーナーじゃないだろうから、ここに載っているのはMacPeopleの公式見解と僕は解釈する。
つまり、UNIX文化が「毒されている」ようなもので、ユニバーサルバイナリ化しないバイナリ配布者は怠慢だということだ。
この雑誌に関わる人々は、ユニバーサルバイナリ化したものを配布しても、「当然だ」と受けとめて、感謝なんてしないんだろうな。

「欲しいものは自分で作ればいい」という考えと、それをみんなで共有しようという文化があればこそ、UNIXやオープンソースの世界でこれだけのものが公開されている。
それの何がいけないというのだろう。
編集部の人たちだってオープンソースソフトウェアの恩恵は受けているだろうし、ビルドしてみてもいるだろう。バイナリ配布者の努力もわかっていると思いたい。
それでも、こんな記事を出すことが理解できない。
(もちろん、コラムでこういう話しが出るのはかまわない。むしろ著者の好きなことを書けばいいと思う。)

もうMacPeopleは買うのはやめた。
できれば、オープンソースの虎っていう連載もやめて欲しいし、オープンソースソフトに関する記事で商売するのもやめて欲しいな。

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